片付けしながら宅浪生

古家を掃除しながらゆったり受験勉強

異国への憧れ

大学を選ぶ時、留学制度などについてはかなりチェックした。現役の時、後期に北大を選んだのも留学用に給付奨学金が貰えることが理由の一つだった。そこまで留学に拘るのにはいくつかの理由がある。

 

まずは学術面。元々海外の大学に進みたかったほど、日本の大学制度はあまり好きではなかった。能力ではなく出席率により決められる成績に、競争による学生の育成など国家主導で「従順で競争力のある学生」がつくられている。日本の受験制度も競争を促すことで人材を育成しようとするものだ。お陰でクイズは得意なのにその内容に関して議論はできない人とは何度も遭遇した。元々議論を好む性格柄、考えたことを誰とも共有できないことは寂しく感じた。

何より、現在国主導で文系学部の縮小が進められていることが大きい。文系学部の廃止まで言われつつある。政治学や哲学、法学に経済学など、人間の営みそのものを分析する学問を軽視する国で学ぶのはまったく気が進まなかった。語学力の問題で海外進学は諦めたが、できるだけ日本から出て研究したいという気持ちはまだ残っている。

 

第二に、海外の空気への漠然とした憧れがある。小さい頃にテレビで「のだめカンタービレ」を見てから、あの古典的な街並みとそれを愛する人々、そしてそれらが作り出す自由ながらも厳かな空気に憧れていた。今でも、あっちの石造りのキャンパスで他の学生と授業内容に関して話し合う自分を想像してしまう。

 

具体的に行きたい国までは決めてある。かなりハードルは高くなるがフランスに行きたい。歴史ある街並みに音楽や芸術。そしてバカロレアなどの哲学を重視した教育を受けてきた学生達。自分が哲学教育に興味があることもある。フランス語を勉強しなくてはならないが、哲学を学ぶ際、どちらにせよ必要になるから問題ない。

 

まだまだ夢物語に近いが、目の前の大学受験はその為に必要な1歩だ。自分が嫌ってやまない「受験戦争」という言葉。そこに片足を突っ込みつつも、その先をしっかり見て勉強したい。

 

今日の夕飯はフランスの家庭料理たち。まだ見ぬフランスに思いを馳せて作ってみた。(ワインは飲めないのでぶどうジュース)


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