癒し
前回ネズミのことでチラッと近所の野良猫のことについて話したが、今回はその猫たちについての話をしよう。
私も京都の自宅で猫を飼っていて、かなり可愛がっていた(尚、あまり懐いてなかった)。ここに来ても時々思い出す。ここにも沢山の野良猫がいて、それはそれは可愛いものである。
というのも、時々手料理を持って来て下さるお隣の老夫婦がここ一帯の野良猫全てを手懐けている。庭の小さな小屋に猫の餌を置いて、猫の集会場として提供しつつ、避妊手術も自費で受けさせる。おかげでここら辺の猫は皆、人懐っこい。
そしてお隣さんと大変親しかった祖母は、老いと孤独から猫達を甘やかし、2匹ほど農機具小屋で世話をしていた。目の鋭い白猫と甘えん坊の黒猫だ。白猫は時々見かけるが、警戒心がまだあるのか私の姿を見るなり退散する。しかし、黒猫はここを家と認識してよく玄関の前に座って入れてくれと鳴いている。
(光っているのはフラッシュではなく門灯です)
私が近づいても暴れたりすることなく、むしろ擦り寄ってくる。勿論、猫を家に入れたらキッチンや畳が荒れることは目に見えているので入れることは無いが、それでもこの猫の甘え声に屈しそうになる。泣く泣くドアを閉めると、今度は家の裏の窓をカリカリしてくる。家のあちこちから音がするので気になって仕方がない。
イエネコの仲間は人間に家畜化されたのではなく、自ら人間と暮らす道を選んだのだとDNA分析で分かっているらしい。さすが人間との共生を選んだ種族だ。人間に世話をしてもらう技を熟知している。なんとも厄介だが、憎めないのが人間の性である。