ユートピア
家の中の片付けの前にやらないといけない事があった。
雑草抜きである。
もちろん、これはずっと続けてやらなければまた生えてくるのだが、雑草の数は減らしていかねばならない。
元々園芸が好きで朝5時から雑草抜きをしていた祖母の家である。人の手が入らなくなると植物からすれば楽園である。土に残った肥料から栄養を得てぐんぐん育つ。結果、数も大きさもかなりのものになった。
特にタンポポの成長が凄まじい。タンポポと言ったら子供が手に取れるくらいのサイズを想像するが、ここのタンポポはサイズも見た目も凶悪である。名付けてメガ・タンポポ。略してメタンである。葉っぱのトゲは軍手の繊維の隙間から手を刺してくる。こんなのがそこら中に生えているからたまったもんじゃない。
しかも雑草や祖母が育てていた花々に虫がたかる。昼間の庭ではアシナガバチが集会を開いている。まだ4月だというのにそこら中に虫が飛び回っている。そろそろ業者に頼んで植物の剪定をお願いしようかと思う。兄は漏電を装って全て燃やす事まで提案している。
とにかく、夏が本格的に始まる前にこの仕事にはある程度カタをつけたい。
30分の成果