片付けしながら宅浪生

古家を掃除しながらゆったり受験勉強

懐古

4時くらいにインターホンがなった。

近所の子供たちが、バトミントンの羽がうちの庭に入ったからとらせてほしいとわざわざ許可を取りに来た。もちろん取らせてあげたが、その時に思わず昔のことを思い出してしまった。

 

自分が小学校低学年のころ、この子達のように家の前の道路で近所の同級生達とよく遊んでいた。近所の家にボールなどを入れては、インターホンも押さずにさっとボールをとってすぐに遊びに戻ったものである。

 

だが、ボール遊び以上にみんなが熱中したのは、山遊びだった。我が家の真ん前にある山に入っては、水晶とりや秘密基地作り、天然アスレチックでのなんちゃってSASUKEを楽しんだ。怖いもの知らずな2人の同級生が主に色んな遊びを思いついては4、5人で楽しんでいたのだが、その2人は身体能力も高く、自然の中を縦横無尽に駆ける2人に置いてけぼりを食らわないために、自分は必死について行った。お陰で現在はかなり体力には自信がある方である。

 

だが、中学校入学前後くらいからそれぞれ別々のグループに入って(なお筆者はどのグループにも属せなかった)、遊びの内容もテレビゲームなどにシフトしていき、関係は薄くなり、今となっては1人としか連絡をとっていない。

 

地域の子供たちの遊びも変わっていった。今や子供達数人が山に入って1時間も帰ってこないとなると、警察まで駆けつける事態になってしまった。公園や道路でも色々な制限が課されてきているらしい。

 

自分が成長すると共に失ったもの、さらに時代と共に無くなっていったものを感じる。「昔は良かった」というよくある感情がまだ二十歳にも満たないこの歳にして出てきてしまうとは、無邪気なあのころは思ってもいなかった。早くも心の老いを感じつつ、深いため息をついて、子供達のはしゃぎ声を聞いている。